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2021年8月6日

相場の見立て・展望(8月6日付)

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏
政府は7月30日の新型コロナウイルス感染症対策本部で、埼玉、千葉、神奈川、大阪の4府県への緊急事態宣言発令と、北海道など5道府県への「まん延防止等重点措置」の適用を決めました。期間は8月2日から31日までです。また、東京都と沖縄県に発令中の宣言も31日まで延長しました。そして、8月5日の対策本部では「まん延防止等重点措置」の適用対象に福島、茨城、栃木、群馬、静岡、愛知、滋賀、熊本の8県を8月8日から加え、期限は31日までとしました。

このような状況下、東京都の新型コロナウイルスの新規感染者数は8月5日に初めて5000人を超え過去最多を更新しました。東京中心に国内の新型コロナの感染拡大が続いているため、市場では国内の景気回復の遅れが意識されています。これが日経平均の上値抑制要因となっています。実際、国際通貨基金(IMF)は7月27日改定した世界経済見通しで、新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めが掛からず、緊急事態宣言が相次ぐ日本の2021年の成長率見通しを前回予想比で0.5ポイント低い2.8%に引き下げたこともあり、海外勢(特にグローバルマクロ系ファンド)による積極的な日本株買いは期待できそうにありません。

よって、当面の日経平均に関しては、上値の重い展開が続くでしょう。テクニカル的には、日経平均の上値の第1メドは25日移動平均線(6日現在28037.20円)、第2メドは75日移動平均線(同28562.13円)とみています。下値メドに関しては、7月30日の27272.49円程度を想定しています。引き続き日経平均については、上値は重いものの、下値もそれなりに堅いとみているため、ザックリベースでは「28000円±1000円程度のボックス相場の継続」がメインシナリオです。

ところで、8月6日の東証マザーズ指数は前日比1.83p(0.17%)高の1064.74pでした。5日移動平均線(6日現在1074.54p)、25日移動平均線(同1140.24p)、75日移動平均線(同1156.44p)全て下回っています。短期でも中期でも、需給が悪化している様子が窺えます。ちなみに、8月3日、日本経済新聞が、「IPO指数、年初来安値、緩和縮小にらみ資金流出。」と題した記事を掲載しました。「東京株式市場で新規株式公開(IPO)した銘柄から資金が流出している。」、「金融緩和の縮小をにらんで機関投資家の資金が流出し、個人も下落に耐えかねて利益確定売りを急いでいる。」、「個人も利益確定売りを急ぎ、一部は値動きのいい大型株に移っている。」とのことです。このため、この流れが逆流するまでは、東証マザーズ市場の売買代金は増えず、マザーズ指数自体も低迷し続けることになる見通しです。

このような投資環境ですから、物色対象は、国内外の機関投資家の買いが期待できる好業績の大型株を狙うべきとの考えは変わりません。足元では、海運、鉄鋼などの市況産業に注目しています。一方、直近IPO銘柄など、チャートが崩れている個人好みの小型株が多いため、短期スタンスの個人投資家の体力は著しく低下しているはずです。よって、この夏は、チャートが崩れて、且つ、信用買い残が積み上がっている小型株には、決して近付かないようにしましょう。
情報のプロフェッショナル
藤井 英敏

カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。

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