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2021年8月27日

相場の見立て・展望(8月27日付)

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏
日経平均は8月20日の年初来安値26954.81円で目先の底入れとなり、その後、リバウンド局面入りしました。しかしながら、上値は重く、8月25日の27897.72円でいったん戻り一服となりました。国内の新型コロナウイルスのインド型(デルタ型)の感染拡大に歯止めが掛かりません。今後の日本の景気低迷が危惧されます。同時に、国内政治リスクが高まりつつあります。だから、投資マインドが冷え込み続けているのです。

政府は8月27日、新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言に8道県(北海道、宮城、岐阜、愛知、三重、滋賀、岡山、広島)を追加しました。宣言に準じる「まん延防止等重点措置」には4県(高知、佐賀、長崎、宮崎)を加えました。期間は現在発令中の宣言にあわせて9月12日までです。結果、8月27日以降、全国で33都道府県が宣言か重点措置のいずれかの対象になりました。このような感染防止措置の実施は、当然のことながら経済活動を阻害するため、日本株の上値圧迫要因です。

このような状況下、自民党は8月26日、9月末の任期満了に伴う党総裁選の日程を9月17日告示、9月29日投開票と決めました。複数候補が出馬する構図で、3年ぶりに国会議員票と党員・党友の地方票を同数で争う選挙になる見通しです。今回は菅義偉首相や岸田文雄前政調会長のほか、下村博文政調会長や高市早苗前総務相、野田聖子幹事長代行も出馬に意欲を示しているもようです。

基本的に、次期総裁が「緊縮財政派(財政健全派)」なら「株安」、「MMT理論(Modern Monetary Theory、現代金融理論)派(積極財政派)」なら「株高」になるでしょう。ちなみに、「MMT理論」とは、「自国通貨で借りている財政赤字は紙幣を印刷すれば返せるのだから巨額でも構わない」というものです。この「MMT理論」を米国の民主党左派が財政出動を正当化する「理論」として用いています。だからこそ、民主党のバイデン政権下では、巨額の財政出動が実現し、FRBによる超絶金融緩和効果も合わさり、米国株は非常に強い動きとなっているのです。

ところで、経験則上、海外投資家は政治リスクを嫌います。このため、政治リスクが低下するまでは、日本株の調整が続くことになるのかもしれません。実際、8月第3週(16~20日)の投資部門別株式売買動向では、海外投資家は3週ぶりに日本株を売り越しました。売り越し額は3634億円と、5月第2週の4214億円以来3カ月ぶりの大きさでした。よって、自民党の総裁が決まる9月29日、または衆議院選挙の結果の見通しが立つまでは、日本株の調整が続くリスクは覚悟しておく必要があります。

なお、8月27日の日経平均は27641.14円と、5日移動平均線(27日現在27666.91円)、25日移動平均線(同27666.70円)、75日移動平均線(同28283.81円)、200日移動平均線(同28220.94円)全て下回っています。27日の下落でチャート形状は再び悪化しました。最低でも、5日移動平均線と25日移動平均線を上回り、チャート形状が改善するまでは、資金管理を徹底して、リスクを抑えた運用を心掛けましょう。それまでは、引き続き、ジョージ・ソロスの格言「まずは生き残れ、儲けるのはそれからだ!」を肝に銘じて相場に臨むべきだと考えます。
情報のプロフェッショナル
藤井 英敏

カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。

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