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2021年9月10日

相場の見立て・展望(9月10日付)

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏
9月3日開催の自民党の臨時役員会で菅義偉首相は、「新型コロナウイルス対策に専念したいので総裁選に出馬しない。任期は全うする」と述べ、今月下旬に予定されていた自民党総裁選に出馬しない意向を表明しました。これにより、今月末に総裁の任期が満了することに伴い、総理大臣を辞任する意向です。

その後の日経平均は急騰しました。9月2日の終値は28543.51円でした。それが9月8日終値は30181.21円と、僅か4営業日で1637.70円(5.74%)上昇しました。さすがに、9日は9日ぶりに反落したものの、週末10日終値は大幅反発、前日比373.65円(1.25%)高の30381.84円でした。東証1部に上場する全銘柄の時価総額が大引け時点で768兆2220億円と、過去最高を更新しました。10日のTOPIXも大幅反発し、同26.72ポイント(1.29%)高の2091.65ポイントと年初来高値を更新しました

内閣支持率が低迷していた菅首相が退陣することで、次期衆院選で自民党の大敗が避けられるとの期待感が盛り上がったことで、日本株が急速に見直されている結果です。

なお、自民党は9月17日告示、29日投開票で総裁選を実施します。今回は、党所属の国会議員383票と、党員・党友383票で選出します。もし最初の投票で1位の候補が過半数に届かなければ、上位2人の決選投票に移ります。決選投票の場合は党員票が都道府県連各1票の47票になります。自民党は衆院で単独過半数を握るため、新総裁は菅義偉氏の次の首相になります。

今回の総裁選の有力候補は3名です。岸田文雄前政調会長、高市早苗前総務相、そして、河野太郎規制改革相です

まず、岸田文雄前政調会長は9月2日午前、国会内で記者会見を開き、出馬表明しました。総裁選に向けて新型コロナウイルス対策に関する政策を発表しました。「公衆衛生分野の危機管理能力を抜本的に強化する」と述べ、対応を一元化して担当閣僚を置く「健康危機管理庁(仮称)」を創設すると提唱しました。

次に、高市早苗前総務相は9月8日、国会内で記者会見し、自民党総裁選に出馬すると正式表明しました。高市氏は経済政策の柱に(1)金融緩和(2)緊急時の機動的な財政出動(3)大胆な危機管理投資・成長投資――を挙げて「サナエノミクスの3本の矢」と表現しました。「日本経済強靱化計画で経済をたてなおし、成長軌道に乗せていく」と強調しました。なお、金融所得税を20%から30%に引き上げる件については、インフレ率2%達成した後で増税の必要があれば考え得る案のひとつであるとの趣旨のコメントを、9月9日の「有本香×竹田恒泰×居島一平【虎ノ門ニュース】で述べています。

そして、河野太郎規制改革相(麻生派)は10日午後4時に国会内で記者会見を開いて出馬を表明しました。それに先立ち、8日には脱炭素社会の実現に向けたエネルギー政策について、安全が確認された原子力発電所の再稼働は容認する考えを示しました。内閣府で記者団に「安全が確認された原発を再稼働するのはカーボンニュートラルを目指すうえである程度必要だ」と述べました。「公約は?命と暮らしを守る政治?変化の時代の成長戦略?新しい時代のセーフティーネット?国を守り、世界をリードする外交・安全保障?新しい時代の国のかたち――の5項目からなる」と伝わっています。

今回の総裁選は、派閥各派の締め付けが効かないガチンコ勝負の様相を呈しています。主要派閥でも派内の支持が分かれる異例の展開となっており、正直、現時点で誰が新総裁になるのかわかりません。ちなみに、株式市場では、岸田氏関連としては「コロナ関係の医療関連」、高市氏関連は、「核融合」、「量子コンピュータ」関連、そして、河野氏関連は「再生可能エネルギー・電力自由化」、「脱ハンコ」関連とされているようです。

株価指数に関しては、短期的な過熱感があるにはあります。このため、今後は、「スピード調整(値幅調整)」、若しくは、「指数高止まりの時間調整」が訪れる見通しです。ですが、それは中期上昇トレンドの中での「健全な短期的な調整」となる見通しです。現時点では、決まっていませんが、次期衆院選の投開票日までは、相場は上げ下げを交えながら、上昇トレンドを維持するというのがメインシナリオです。「トレンドを友人」にして、是非、投資収益を獲得してください。

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏

カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。

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