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2021年9月17日

相場の見立て・展望(9月17日付)

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏
9月14日の日経平均は、前日比222.73円高の30670.10円でした。2月16日に付けた年初来高値の30467.75円を更新し、1990年8月1日の30837.99円以来約31年ぶりの高値となりました。また、9月15日の日経平均は4日ぶりに反落し、前日比158.39円安の30511.71円でした。この日の始値は30464.17円で、終値が始値を上回る「陽線」でした。陽線が続く「陽連」は12日となり、1988年2月10〜27日の13日以来、33年7カ月ぶりの記録でした。

ですが、9月16日のローソク足は13日ぶりに「陰線」となりました。また、16日の終値は30323.34円と、5日移動平均線(16日現在30466.87円)を下回りました。このため、9月16日に日経平均は調整入りした可能性が高いとみています。さすがに、9月15日までの上昇ピッチが速すぎて超過熱状態でしたから、当然の一服でしょう。なお、今回の調整は、中期上昇トレンドの中での「健全な短期的な調整」となるとみています。ただし、17日の終値は30500.05円と、5日移動平均線(17日現在30490.51円)を再び上回りました。このため、17日時点では、その可能性は高いと考えてはいるものの、完全に調整入りしたとは言い難い状況でもあることは事実です。

ところで、中国住宅都市農村建設省は、不動産開発大手の中国恒大集団が、9月20日が期限の利払いができない見込みだと主要銀行に通知しています。このため、9月16日の香港株式市場でハンセン指数は4日続落し終値は前日比365.36ポイント(1.45%)安の24667.85ポイントと、年初来安値を更新しおよそ10カ月ぶりの安値を付けました。中国恒大集団の主要子会社の社債取引が16日に停止され、不動産株への警戒感から売りが広がったとのことです。恒大集団の資金繰りを巡る問題については、展開次第では世界的な悪影響もあるため、今後の成り行きは要警戒です。

とはいえ、中国人民銀行(中央銀行)は9月17日、金融システムへの短期資金供給を増やしました。中国恒大集団の債務危機を巡る懸念による市場の緊張を和らげることを目指しているもようです。このように、金融当局が適切な対応をし始めているため、「恒大集団の資金繰りを巡る問題については、今後の成り行きは要警戒」ではあるものの、過度に悲観する必要性は乏しいと考えています。

一方、国内では、菅総理大臣の後継を選ぶ自民党総裁選挙は、9月17日午前10時から立候補の受け付けが始まり、岸田前政務調査会長、河野規制改革担当大臣、高市前総務大臣、野田幹事長代行の4人が立候補を届け出ました。野田聖子幹事長代行の出馬により、1回目に過半数を制する候補は生まれそうにないため、決選投票で、新総裁が決まる可能性が高そうです。ちなみに、今回の総裁選は、党所属の国会議員383票と、党員・党友383票で選出します。もし最初の投票で1位の候補が過半数に届かなければ、上位2人の決選投票に移ります。決選投票の場合は党員票が都道府県連各1票の47票になります。自民党は衆院で単独過半数を握るため、新総裁は菅義偉氏の次の首相になります。

日経平均が14日に約31年ぶりの高値を付けた背景は、「菅首相退陣→自民党党勢拡大→新総裁の下での次期衆院選→自民党大敗回避」とのシナリオ実現確度が高まったからです。このため、自民党総裁選挙の立候補の受け付けが開始は、「当面の材料の出尽くし」となったことでしょう。そして、加藤勝信官房長官は9月16日の記者会見で、臨時国会について「10月4日に召集する方向で検討している」と明らかにしました。衆院選に関しては自民党内で「10月26日公示、11月7日投開票」の日程が取り沙汰されているそうです。

次期衆院選の投開票日までは、相場は上げ下げを交えながら、上昇トレンドを維持するというのが私のメインシナリオです。当面の日経平均については、25日移動平均線ベースのボリンジャーバンドプラス1σ(17日現在30026.77円)と同プラス2σ(同31284.98円)との「バンドウォーク」です。今後も、「トレンドを友人」にして、つまり、「上手くトレンドに乗って」、是非、投資収益を獲得してください。
情報のプロフェッショナル
藤井 英敏

カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。

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