関東財務局長(金商)第1756号
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2021年12月17日

相場の見立て・展望(12月17日付)

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏
前回の当コラムでは、日経平均に関しては、「5日移動平均線を上回ってくれば、上方の25日移動平均線(同28983.00円)、75日移動平均線(同29045.84円)、200日移動平均線(同28885.64円)に向けた「リバウンド」が再び発生することになるとみています。」としました。実際の日経平均は、12月16日に前日比606.60円高と大幅高となり、5日移動平均線、25日移動平均線、200日移動平均線を一気に終値で上回りました。しかしながら、75日移動平均線にはザラ場高値でも上回ることもなく、当然終値でも下回り続けました。

翌17日は前日比520.64円安の28545.68円と大幅に反落しました。前日上回った5日移動平均線(17日現在28628.97円)、25日移動平均線(同28837.25円)、200日移動平均線(同28850.12円)をあっさり下回り、75移動平均線(同29106.04円)に関しては下回り続けました。

16日と17日の乱高下の主因は、やはり、米国株(特にナスダック総合株価指数)の動向でした。15日のナスダック総合株価指数も3日ぶりに反発し、同327.943ポイント高の15565.583ポイントでした。FRBは15日のFOMCでテーパリング加速を決め、来年の利上げ回数を従来の1回から3回に増やすとの予想を示しました。これは、市場の想定内の結果だったため、アク抜け感から買いが優勢となりました。しかしながら、16日のナスダック総合株価指数は反落し、同385.148ポイント安の15180.435ポイントでした。FRBの金融引き締めの加速を警戒した売りが、高PERのハイテク株を中心に出て、指数を押し下げました。また、「アップル、ワイヤレスチップ内製化で人材採用-新オフィスで」との報道を嫌気する格好で、16日のSOX指数は同4.27%となりました。

今後も、日本株は不安定な米国株動向に右往左往することでしょう。ただし、日経平均の下値は限定的とみています。なぜなら、企業業績が好調で、バリュエーションが日経平均を強力に下支えするとみているからです。大和証券の12月9日付けレポートによれば、「2021年度経常利益は前年度比 35.0%増益となり、過去最高益を更新しよう。前回予想から 1.1%増額修正。総合商社等の増額修正が大きい。SBG を除くベースでは同 60.7%増益、5.0%増額修正」、「2022年度経常利益は同 7.0%増益となり、過去最高益を連続更新しよう。前回予想から 3.3%増額修正。貨物輸送、自動車等の増額修正が大きい。SBG を除くベースでは同 6.7%増益、3.0%増額修正」とのことです。

一方、上値も重そうです。なぜなら、FRBが「タカ派」に転換し、インフレに対処する姿勢を示したものの、サプラチェーンの混乱や人手不足など供給サイド由来のインフレを抑え込むことは難しいため、長期金利が高止まり、または、上昇基調を強める可能性が高いからです。これは高PERのハイテク株やグロース株にはネガティブ材料です。日経平均はTOPIXに比べて、電機・ハイテク株指数の色彩が強いという特徴があります。米長期金利が高止まり、または、上昇して、日経平均と同じようにハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数が、今後伸び悩むようだと、日経平均の上値も限定されてしまうと考えます。

日経平均に関しては、12月3日の27588.61円が第1下値メド、8月20日の26954.81円が第2押し目メドとみています。一方、目先の上値メドは一応、12月16日に強力な抵抗線となった75日移動平均線(17日現在29106.04円)です。75日移動平均線を上抜けることが出来たなら、心理的節目の29500円を目指す展開を想定しています。

それにしても、東証マザーズ市場が酷い状況になっています。12月17日に一時961.15ポイントを付け、年初来安値を更新しました。17日終値は963.66ポイントと、5日移動平均線(同996.35ポイント)、25日移動平均線(同1081.33ポイント)、75日移動平均線(同1112.71ポイント)、200日移動平均線(同1141.81ポイント)全て下回っています。ちなみに、12月16日時点での「マザーズ銘柄の信用評価損益率(松井証券店内)」はマイナス29.002%でした。一般的に、信用買い方の評価損益率がマイナス20%を下回ると「追証」が発生する水準となります。このため、マザーズ指数が底入れし、信用買い方の評価損益率がマイナス20%を上回るまでは、「追証」絡みの売りが出続け、需給は悪い状況が継続する見通しです。

また、来週は20社超が新規上場を予定するIPOラッシュです。これに関連する換金売りによる需給の更なる悪化も警戒されます。悪いことに、足元では、IPO銘柄に公開価格を下回る値動きが相次いでいます。これが投資家の手の内とマインドを悪化させています。結論として、東証マザーズ市場に対する投資戦略は、「セリングクライマックス」待ちということになります。正直、どの程度の水準で「セリングクライマック」を発生するのか、皆目見当がつきません。売買代金の急増や、新安値銘柄数の急増の有無などで判断するしかないでしょう。それまでは、資金管理を徹底して、著名投資家のジョージ・ソロス氏の名言「まずは生き残れ、儲けるのはそれからだ」の精神で相場に臨むことを強くお勧めします。
情報のプロフェッショナル
藤井 英敏

カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。

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