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2022年1月7日

相場の見立て・展望(1月7日付)

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏
前回当コラムで、「正直なところ、現時点では、マザーズ市場の需給状況は深刻で、マザーズ指数の低迷は長期化するのではないかとの危惧を抱いています。」としました。実際のマザーズ指数の1月7日の終値は883.15ポイントと、5日移動平均線(7日現在931.49ポイント)、25日移動平均線(同991.87ポイント)、75日移動平均線(同1080.26ポイント)、200日移動平均線(同1127.32ポイント)全て下回っています。このため、短期・中長期の下落トレンドが発生中と認識しています。

なお、1月6日時点での「マザーズ銘柄の信用評価損益率(松井証券店内)」はマイナス30.719%でした。一般的に、信用買い方の評価損益率がマイナス20%を下回ると「追証」が発生する水準となります。ですが、友人の対面証券の営業マンへのヒアリングベースでは、相当数の個人信用客は、評価損があまりに大きすぎるとの理由で、マザーズ銘柄の買い建て玉を投げるのではなく、現引きしているもようです。このため、中長期的に需給は改善しないでしょう。よって、マザーズ市場に多く存在する「高PERまたは赤字のグロース系小型株」は中長期的にはアンタッチャブルと考えは不変です。

ただし、ここまでの下落ピッチが短期的に行き過ぎの感は否めません。このため、7日の昨年来安値862.44ポイントを割り込まない限り、「超短期的なリバウンド狙い」は一考に値するとみています。862.44ポイントが、所謂「スパイクロー(spike low:突出安とも呼ばれる。前後の安値よりも突出して安い安値。)」になる展開を期待しているからです。その場合の戻りメドは25日移動平均線です。

一方、日経平均に関しては、12月20日の27893.18円で底打ちしたとの見方は継続しています。ですが、1月5日の29388.16円が目先天井になったとも考えています。なお、1月7日終値は28478.56円と、5日移動平均線(7日現在28878.41円)、25日移動平均線(同28599.11円)、75日移動平均線(同28937.12円)、200日移動平均線(同28814.25円)全て下回っています。このため、短期・中長期の調整局面が続いていると認識しています。日経平均に関しては、概ね27500円〜30000円のボックス相場が続くというのが、現時点での当面のメインシナリオです。

それにしても、米国株(特にグロース株)が不安定な動きになってきています。きっかけは、1月5日に公表された「昨年12月のFOMC議事要旨」です。これによれば、FOMC参加者は、「以前の想定よりも政策金利を早い段階と速いペースで引き上げることが適切になる」とみていました。また、「保有資産の縮小に適したタイミングは過去の局面よりも利上げ再開時に近くなる」と、FRBがバランスシートの縮小に前向きなことも明らかになりました。これを市場は、「タカ派寄り」と受け止め、公表後に米長期金利は一時1.71%と昨年4月以来の水準に上昇し、同時に株式も売られました。
翌6日には、セントルイス連銀のブラード総裁が、「FRBはインフレを抑制するために、3月にも利上げすることができる」と述べ、バランスシート縮小にも前向きな発言をしました。この日の米10年物国債利回りは前日比0.02%高の1.72%でした。一時は1.75%と昨年3月以来の高水準を付けました。また、ナスダック総合株価指数は3日続落し、同19.309ポイント安の15080.865ポイントでした。

ちなみに、米東部時間7日8時30分(日本時間7日22時30分)に2021年12月の雇用統計が発表されます。市場コンセンサスは、非農業部門の雇用者数が前月比42万2000人増と、増加幅は21年11月の21万人増から拡大し、失業率は4.1%と11月の4.2%から改善するというものです。確かに、これはFRBの金融政策を予想する上で、重要な経済指標ですが、現時点において、今回の結果が上振れしようが、下振れしようが、FRBはタカ派からハト派に転じることはないでしょう。米国株については、米長期金利が落ち着くまでは、グロース株中心にボラタイルな動きを続けることを覚悟しておくべきです。そして、日本株はその米国株の動きに右往左往することになりそうです。
情報のプロフェッショナル
藤井 英敏

カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。

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