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2022年3月25日

相場の見立て・展望(3月25日付)

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏
前回の当コラムで、「資金管理を通常モードよりも積極的なものに変更して、リスクオンの運用スタンスで相場に臨みましょう。なぜならば、日本株に関しては、攻めるべき局面に変化したと考えているからです。」としました。期待通り、今週の日経平均は非常に強い動きを続けました。

3月25日の日経平均は前日比39.45円(0.14%)高の28149.84円と、小幅ながら9日続伸しました。テクニカル的には、5日移動平均線(25日現在27670.38円)、25日移動平均線(同26379.77円)、75日移動平均線(同27490.69円)を上回っています。一方、200日移動平均線(同28274.71円)は僅かに下回っています。今後の想定に関しては、上向きに転じた25日移動平均線を押し目限界にする格好で、堅調に推移するとみています。当面は、75日移動平均線がサポートラインとして意識されるでしょう。なお、これまで、強力なレジスタンスとして意識されていた25日移動平均線を上抜いたことで、需給は劇的に改善しました。よって、当面の日経平均は上がり易く、下がり難い状況になったと考えます。

日本株が強い動きを続けている背景は、堅調な米国株と外国為替市場での円安です。3月24日のNYダウは反発し、前日比349.44ドル高の34707.94ドルでした。また、ナスダック総合株価指数は反発し、同269.235ポイント高の14191.839ポイントでした。この日は、NY原油先物相場が4%近く下げる場面があり、ガソリン高が米消費を抑えるとの警戒感が後退したことで、投資家のマインドが改善しました。ちなみに、24日のWTI期近の5月物は前日比2.59ドル安の1バレル112.34ドルで取引を終えました。欧州がロシア産原油の禁輸に消極的との見方や、米国主導の追加の戦略備蓄放出の観測を受け、需給逼迫への警戒感が和らいだ結果、原油先物への売りが優勢になりました。

一方、24日のNY円相場は5日続落し、前日比1円20銭円安・ドル高の1ドル=122円30~40銭でした。一時、1ドル=122円41銭と2015年12月以来の円安水準に下落しました。パウエルFRB議長が21日に利上げ加速を示唆し、24日には、ハト派寄りとされるシカゴ連銀のエバンズ総裁が、通常の倍の0.5%の利上げに踏み切る可能性があり得るとの見方を示しました。これを受け、日米の金融政策の方向の違いに着目した円売り・ドル買いが加速しました。この円安は、我が国輸出企業の収益に強烈な追い風になることでしょう。

また、国内では、新型コロナウイルス対策の「まん延防止等重点措置」が3月22日から全面解除されました。観光・外食業界中心に、我が国は経済活動の正常化に踏み出しました。そして、岸田文雄首相は23日、ロシアのウクライナ侵攻を受けた物価高騰への対策の策定を指示すると表明しました。当面のガソリンや食料品の価格高騰への対応策を4月中にまとめ、夏の参院選前の執行を目指し、2022年度補正予算案の編成を伴う追加の経済対策は参院選後に決めるとのことです。このような国内の経済活動の正常化と、追加経済対策策定は、当然のことながら日本株にポジティブに作用する見通しです。

以上のことから、引き続き、リスクオンの運用スタンスで相場に臨みましょう。ただし、足元で相場が短期的に過熱していることは否めません。このため、無闇に買えばいい、なんでもかんでも強気でいくというわけではなく、相場状況に応じて、冷静な資金管理を心掛けましょう。上昇相場でも、値幅を伴った押し目は必ず起こり得るからです。
情報のプロフェッショナル
藤井 英敏

カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。

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