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2022年4月28日

相場の見立て・展望(4月28日付)

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏
日銀は4月27~28日に開いた金融政策決定会合で、大規模緩和を維持する方針を決めました。そして、10年物国債を0.25%の利回りで無制限に買い入れる連続指し値オペ(公開市場操作)を毎営業日実施することも決めました。市場に金利を抑制する姿勢を改めて強く打ち出しました。日米の金融政策の方向性の違いが一段と明確になり、28日の東京外国為替市場では、円売り・ドル買いが加速し、一時1ドル=130円台と2002年4月以来およそ20年ぶりの円安・ドル高水準を付けました。

この円安を受け、日経平均は上げ幅を広げました。4月28日の終値は前日比461.27円(1.75%)高の26847.90円でした。終値では、5日移動平均線(28日現在26867.17円)、25日移動平均線(同27292.96円)、75日移動平均線(同27054.93円)を全て下回っています。27日の安値26051.04円から大幅に切り返したとは言え、短期・中期のチャートは悪化したままで、今週の取引を終えました。ですが、週安値からここまで戻し、28日の日足は、ほぼ引けピンでしたので、引け味は決して悪くはありませんでした。

一方、4月28日の東証マザーズ指数は続落しました。終値は前日比6.04ポイント(0.86%)安の694.41ポイントと、700ポイントを割り込んで今週の取引を終えました。27日の米10年物国債利回りは前日比0.11%高い2.83%と、高止まりしています。FRBは5月3~4日に開くFOMCで、通常の2倍の0.50%の利上げに加え、保有資産の縮小開始を決定する見通しです。このため、米国の長期金利の上昇が一向に収まりません。こうなると、グロース株の多い、ナスダック総合株価指数や、東証マザーズ指数の調整は続くことでしょう。

ところで、4月28日のデンソー(6902)の終値は前日比705円(9.72%)高の7957円でした。同社は、28日11時10分、「2022年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)」を発表しました。2023年3月期通期連結業績については、電動化・先進安全分野の好調な売上収益と、採算改善の積み増し、変動対応力の更なる強化や、経営基盤強化の取り組みにより、売上収益は6兆3500億円(前年度比8345億円増、15.1%増)、営業利益は5600億円(前年度比2188億円増、64.1%増)、税引前利益は6030億円(前年度比2182億円増、56.7%増)、当期利益は4610億円(前年度比1722億円増、59.7%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は4340億円(前年度比1701億円増、64.5%増)と見込んでいます。

同社の前提となる為替レートは1US$=115円、1ユーロ=130円です。半導体不足等による車両減産を、ものともしない「2ケタ増収・大幅増益見通し」に加え、保守的な為替前提が評価された格好です。今後、日本では、決算発表が本格化します。同社のように、強気の業績見通しを出し、且つ、円安メリットを享受する外需系銘柄が人気化することでしょう。逆に、円安メリットが享受できない内需系銘柄はスルーされる可能性が高そうです。また、個人投資家の関与率の高い東証マザーズ市場が低迷しています。個人の関与率の高い内需系小型株(特にグロース株)への売り圧力は強まる見通しです。当面は、好業績・円安メリット銘柄に絞った投資戦略をお勧めします。
情報のプロフェッショナル
藤井 英敏

カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。

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