関東財務局長(金商)第1756号
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2022年5月20日

相場の見立て・展望(5月20日付)

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏
相変わらず、米国株式市場が低迷しています。5月19日のNYダウは続落しました、前日比236.94ドル安の31253.13ドルと、連日で年初来安値を更新しました。ウォルマートやターゲットに続き、19日朝に百貨店のコールズが発表した四半期決算も、市場予想を下回ったことで、インフレが企業業績を圧迫するとの懸念が強まり、株式が売られました。また、ナスダック総合株価指数は続落し、同29.658ポイント安の11388.496ポイントでした。そして、S&P500種株価指数は同22.89ポイント安の3900.79ポイントと、連日で年初来安値を更新しました。

しかしながら、5月20日の大阪証券取引所における日経平均先物6月物の夜間取引終値は前日比10円高の26380円と、米国株が軟調だった割にはしっかりしていました。そして、20日の日経平均は前日比336.19円(1.27%)高の26739.03円と、大幅反発しました。中国人民銀行(中央銀行)が、5月20日、住宅ローン向け金利の目安とされる最優遇貸出金利の5年物を引き下げると発表しました。この当局による金融緩和策を好感し、中国・上海株や香港株が上昇したことが、20日の日本株の買い材料になりました。

日本株が相対的に米国株に対して強い要因は、日米の金融政策の違いや、景気のステージの違いが影響しているようです。また、外国為替市場での円安基調が、我が国の外需系企業の業績にポジティブに作用することも、影響しているとみています。

ところで、総務省が5月20日発表した4月のCPIは、生鮮食品を除く総合指数が前年同月比2.1%上昇しました。携帯電話料金引き下げの影響が剥落しました。しかしながら、原油など資源価格の高騰を受けたエネルギーや生鮮食品を除く食料、家電製品などが上昇し、指数を押し上げました。生鮮食品とエネルギーを除く総合指数は、前年同月比0.8%上昇し、1年9カ月ぶりに上昇しました。正直、この程度の物価上昇なら、政府も日銀も、インフレを懸念することもないでしょう。

ちなみに、4月の米CPIは前年同月比8.3%上昇と3月の8.5%からは伸びが鈍化したものの、市場予想の8.1%を上回りました。エネルギー・食品を除くコア指数の上昇率も6.2%と市場予想の6.0%以上でした。このため、バイデン政権もFRBも、インフレ退治に本格的に取り組むしかありません。金融を引き締める米国の株式が弱く、金融緩和を継続する日本の株式が相対的に強いことは当然です。また、金利を引き上げるドルが強く、金利を低位安定させる円が弱いことも必然でしょう。

ただし、日本は貿易立国であり、米国は世界ナンバーワンの経済規模を誇ります。その米国経済が、FRBの本格的な金融引き締めで、オーバーキルされるとの懸念が残る限り、相対的に強いといっても、日本株の上値は重いと考えます。そして、今でも、日米株式市場では、急伸した後に急反落する「ブルトラップ(強気のワナ)」が繰り返し起きています。強気のワナと呼ばれる動きを繰り返すと、チャート上は右肩下がりが続き、多くの投資家の手の内が悪化することが知られています。

このような状況を背景に、今後の日経平均のメインシナリオは、「5月12日の25688.11円~4月21日の27580.64円」での「横ばいトレンド(ボックス相場)」です。いずれかに放れたら、上昇または下降トレンドが発生するとみています。ボックス相場でのお勧めは「逆張り」です。上がれば弱気、下がれば強気に対処することが重要だと思います。なお、中長期の日本株のトレンドは下向きなので、「順張り」の買いは報われないことが多い状態が続くことは覚悟しておく必要があるでしょう。買いは「押し目買い」、「突っ込み買い」に徹することで、リスク管理を行うべきだと思います。
情報のプロフェッショナル
藤井 英敏

カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。

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