関東財務局長(金商)第1756号
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2022年5月6日

相場の見立て・展望(5月6日付)

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏
FRBは4日のFOMCで22年ぶりとなる0.5%の利上げを決めました。パウエルFRB議長は記者会見で6、7月会合でも同じ幅の利上げを実施することを示唆しました。ちなみに、3カ月間に計1.5%の利上げは金融調節の手法として比較可能な1982年以降、一度も経験したことがないスピードだということです。また、6月から量的引き締め(QT)も開始します。毎月の減額ペースは6~8月に国債を300億ドル、住宅ローン担保証券(MBS)を175億ドルとします。そして、9月からは国債を600億ドル、MBSを350億ドルとし、合計で月950億ドルを上限に保有資産を減らしていきます。

このような金融緩和の正常化を急ぐFRBの方針を受け、米国株式市場は乱高下しています。まず、4日のNYダウは3日続伸し、前日比932.27ドル高の34061.06ドルでした。上昇幅、上昇率とも今年最大でした。また、ナスダック総合株価指数も3日続伸し、同401.099ポイント高の12964.856ポイントでした。この日は、FOMC後の記者会見でパウエルFRB議長が0.75%の大幅利上げに消極的な姿勢を示したことが好感されました。また、米10年債利回りは前日比0.07%低い2.90%を付けたことや、金融政策の影響を受けやすい2年債利回りも急低下したことが、特にハイテク株への買い材料となりました。

ですが、翌5日は一転して急落しました。5日のNYは4日ぶりに反落し、前日比1063.09ドル安の32997.97ドルでした。下落幅は2020年6月以来ほぼ2年ぶりの大きさでした。また、ナスダック総合株価指数は4日ぶりに急反落し、前日比647.165ポイント安の12317.691ポイントと、4月29日に付けた年初来安値を更新しました。下落率は20年6月以来の大きさでした。通常の2倍にあたる0.5%の利上げは当面続くうえ、インフレが落ち着かない限り金融引き締めは続くとの見方が改めて嫌気されました。そして、長期金利が一時3.10%と18年11月以来の高水準を付けたことが、株式市場への悪材料となりました。

現在、市場では、FRBが景気後退を回避しつつ、インフレ抑制に成功する「ソフトランディング」は難しいとの見方が強まっています。また、インフレ抑制のため、FRBは株価下落を当分の間、容認する可能性が強く意識されています。こうなると、利上げピッチの鈍化期待が盛り上がるまでは、米国株、とりわけ、高PERのグロース株の調整は続くとみておいた方がよさそうです。

ただし、日銀は4月28日、指定した利回りで長期国債を無制限に買い入れる「指し値オペ(公開市場操作)」を、5月2日以降は原則として毎営業日実施すると発表しています。このため、金融政策の方向性の違いを材料視したヘッジファンドなど投機筋の円売りという20年ぶりの安値を演出してきた環境は変わる気配が全くありません。よって、外国為替市場でのドル高・円安トレンドは継続する見通しです。これは我が国輸出関連銘柄や、電機・ハイテク株指数の日経平均のサポート要因となると考えます。

実際、5月6日の日経平均は2日終値比185.03円(0.69%)高の27003.56円と、前日の米国株安にもかかわらず、反発しました。

ところで、英国を訪問している岸田文雄首相は5月5日、ロンドンで開いた記者会見で、国内の水際対策を含めた新型コロナ対策について、6月にも専門家の意見を踏まえて段階的に見直す考えを示しました。さらに、6日には、「政府は、新型コロナウイルスの水際対策について、現在認められていない観光目的での外国人の入国を、早ければ今月にも少人数のツアーに限り、認める方向で検討していることがわかった。」と伝わっています。

また、首相は5日、訪問先の英ロンドンの金融街シティーで講演し、エネルギーのロシア依存度を低減するため原子力の活用を進める考えを示しました。2050年カーボンニュートラル、2030年温室効果ガス46%排出削減という公約の達成を目指すため、2030年に17兆円、今後10年間で官民協調により150兆円の新たな関連投資を実現させる考えを示しました。

これらのことから、当面の東京株式市場では、「インバウンド」、「原発」、「GX(グリーントランスフォーメーション):企業における温室効果ガスの排出源である化石燃料や電力の使用を、再生可能エネルギーや脱炭素ガスに転換することで、社会経済を変革させること」関連銘柄が人気となりそうです。
情報のプロフェッショナル
藤井 英敏

カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。

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